バブル期に全国のゴルフ場が集めた預託金は10兆円規模になるといわれる。預託金とは預かり金のことであり、ゴルフ場は投資家からかき集めたお金でコースを造るのだ。「預かり金」だから、期限が来たらかえさなければならない。だけどゴルフ場が、集めたお金を他の目的に使ってゼロになっていたとしたら。株に投資して大損をしていたとしたら。ほとんどの投資家がそうであったように、バブル崩壊を予測できなかった約 1000のゴルフ場が預託金を全額償還できなくなっている。ゴルフ会員権を持っている人への影響は 100万人にものぼる。本書はゴルフ会員権問題の第一人者、高山弁護士が預託金の償還トラブルや会員権の資産価値目減りに頭を抱える会員権所有者に救いの手を差し伸べる。題材としているのは、自身が室長の消費者相談室に寄せられたナマの声。ゴルフ場とのトラブル、会員権業者とのトラブルに分け、契約解除や情報公開の求め方、トラブル防止策を提示していく法律編と、個人・法人別に税金のしくみを解説した税金編の2部構成となる。相談事例は 200にもなるが、高山氏を筆頭とした専門スタッフが過去の判例や専門知識を駆使しながら、明快に回答していく。ゴルフ場の経営母体のほとんどがゼネコンや不動産会社であることから、不良債権問題と同様、先行きの不透明さを感じさせるが、巻頭に掲げる「フェアプレーの精神に基づく」回答がゴルファーの不安を取り除いてくれる。(奥谷貴仁)