私がまだ幼稚園児だった十数年前、当時住んでいた町には、ピンク映画館がまだ健在でした。時代の変化からすっかり取り残された小さな映画館は、「子ども」の私が入ることを絶対に許されない、「おとな」だけの世界への入り口でした。本書には25館(すでに廃館も含め)ほどの映画館が豊富な写真とともに紹介されています。どこもかしこも、いかがわしさ満開です。扇情的で暗号的な独特の映画タイトルが壁一面に躍り、「おとな」の世界はどっこい健在です。ピンク映画世代はもちろん、若い世代にもある種のなつかしさを抱かせてくれる一冊といえるでしょう。